加島祥造『老子と暮らす』
先々週、文京区千駄木の往来堂書店に立ち寄ったときに買ったもう1冊の本です。前から友人に進められていたものですが、買う機会もなかったものです。たまたま立ち寄ったときに手にしました。
著者は英文学者として名を成した方ですが、いろいろな場所の中から大変気に入った長野県伊那谷に住まいを求め、今では住人として伊那谷を定めています。その理由は当然ながら著書の中に記されています。
英米文学で名を成した方としていますが、「老子」との出会いは英語に訳された老子を読んだのがきっかけです。老子の有名な水は方円の器に従うのことがだと思いますが、「水のように」のの言葉は、普通の交互の言葉でとても分りやすい表現です。
「双魚図」、またの名を「大極図」ともいいます。二つのものが一つという表現を形に表したものです。絵は常に見ているのですが、解説としてははじめて納得の行く思いがしました。さらに、西洋は二元論が主になっています。神がいて悪魔があり、主観と客観があり、善悪などの考えです。「二元論からの自由」はよく分ります。「無は同時に有である。」という老子の考えが東洋の我々にはよく理解できます。
「閑」と「自足」も著者の解釈が説得力を持ちます。中庸とか中道を「バランス」と表現していることは、合点がいきます。知恵と自由のシンプルライフと副題がついていますが、伊那谷のシンプルライフから、知恵と自由が生れているのだと思います。漢文を和訓や直訳からは分らない新鮮な感覚を、英訳の中から見出し、口語体で紹介してくれる新しいスタイルでとても新鮮だと思います。
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