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2008年6月18日 (水)

甘里君香『京都スタイル』

京都スタイル (新潮文庫)少し前に『イケズな京都』を読みました。その折、著者からコメントをいただきました。友人ともどもわざわざコメントをつけてくれるとはえらいなと改めて気に入っております。それで友人はさらに表題の著書を紹介してくれました。

『イケズな京都』より前に書かれたとのことで、京都と東京の「比較文化論」のような気がします。前著は著者が京都人のなっている感じですが、これは多少恐る恐る遠慮がちに手探りで京都と東京を比較しているように受け取れます。

「洗い替え」などの言葉は、直ぐに気づかない言葉でしょう。「ぶぶ漬け」「掃除しておかないと」の意味は、リップサービスや断りのこと。「京都忍法」と名付ける筆者の表現力。筆者が細かいところを外さずに観察しているところは、既にこのときには身についていたようです。京都人同士の付き合いの真髄を以下のように喝破しています。

まず、よくなったことを見せないこと。
高価な物は隠すこと。
自分のことだけ考える。
お節介をしない。
物の貸し借りはしない。
家の内情を見せない。
常に自分が一番だと意識する。

なかなか東京人にとっては息の詰まるような人間関係であると思います。東京人の2人の女性が必ず東京に帰ると心に誓い、お互いを励ましあっていることを紹介していますが、当然です。なまじの神経では耐えられないと感じます。筆者のように鋭い観察眼で違いを楽しむ余裕を持っていることが大切だと思います。

ただ、日本の原風景がまだまだ京都に息づいていること筆者と同じく貴重であるとの見方には同感です。日本が知らず知らずのうちに失ってきたものは大きいと感じます。日本の原点を感じさせる貴重な文化論であると思います。

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